計量制度の見直しにより、自動はかりが特定計量器に追加され、自動はかりを取引又は証明に使用している場合は検定の対象になりました。
検定は自動車の車検のようなもので、検定に合格していない自動はかりは、取引または証明の用途で使用できなくなってしまいます。
そこで今回は計量制度改正による重量選別機の検定制度についてご紹介します。
計量制度改正により自動はかりとして、ホッパースケール、充填用自動はかり、コンベヤスケール及び自動捕捉式はかりの4器種が検定の対象となりました。
※自動捕捉式はかり = 重量選別機・ウェイトチェッカー
このうち、ホッパースケール、充填用自動はかり、コンベヤスケールの3器種については制限の開始日が2028年4月以降に延長されましたので、今回は2024年4月1日以降に使用が制限される自動捕捉式はかり(重量選別機・ウェイトチェッカー)について説明します。
重要なポイントは
「取引または証明に使用している重量選別機は検定の対象になる」
ということです。
<取引または証明とは?>
計量法には
「「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。」とあります。
商品の内容量表示や契約書面に、重量選別機での計量値を記載している場合、その計量値は「取引または証明」にあたると考えられます。よって、その計量を行っているのが重量選別機だった場合、重量選別機は「取引または証明」に使用していることになります。
<検定について>
2024年4月1日以降、重量選別機を取引または証明に新しく使用する場合は、型式承認機での検定受検が必要となります。
検定は検定依頼書に記入して指定検定機関に依頼、計量士が検定を行います。
※型式承認機とは、JIS B7607で規定されている重量選別機(自動補足式はかり)の技術基準のうち、主に構造関連の試験を重量選別機のメーカ―があらかじめ行い、合格した機器を指します。
※重量選別機の検定費用は1台約6万円+諸費用、検定作業は2時間~半日ほどかかります。
一方、2024年3月31日までに重量選別機を取引または証明にすでに使用している場合は、3年間の猶予があり、2027年3月31日までに検定に合格すれば、その後も継続して取引または証明に使用することができます。
※さらに、受検する重量選別機が型式承認機であるか否かで、検定の技術基準が変わります。
ここで、以下のような疑問を持たれるかもしれません。
1 型式承認機ではない重量選別機を取引または証明に使用している場合は?
⇒非型式承認機を2024年3月31日までに取引または証明に使用している場合は、検定実施に3年間の猶予があるので、検定の義務化開始は2027年4月1日となり、かつ、検定は緩やかな条件の技術基準が適用されます。
2 使用制限開始後の2024年4月1日以降、すでに取引または証明に使用している重量選別機が壊れてしまった場合は?
⇒修理不可となった場合は、新規導入と同じ扱いとなりますので、型式承認機を購入後、すぐに検定を受検しなければなりません。
つまり、検定に合格してからではないと取引または証明の用途で重量選別機を使用できないことになってしまいます。
※下記の場合は検定の対象外となります。
①検査目量が10mg未満または目盛標識数が100未満である場合
②ひょう量が5㎏超である場合
③取引または証明に使用していない(使用する予定がない)場合
※同じ重量を複数の箇所で計量している場合は、検定の受検はそのうちの1か所でよいとされています。
取材協力・情報提供:アンリツ株式会社 様
以上、計量制度改正による重量選別機の検定義務化の概要について簡単に説明しました。
もし、貴工場の取引または証明に使用している重量選別機が、導入及び前回更新からかなり年数が経っている場合は、一度、継続使用するか更新するかのご検討をされることをお勧めします。
更新を検討されるお客様は、2024年3月31日までに運用を開始すれば検定の3年間の猶予を得ることができますので、お早めに私どもにご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。