駆動ローラコンベヤは、人に代わって重いものを自動で運んでくれますので、段ボールケース等の搬送手段として工場や物流の現場で広く使用されています。
この駆動ローラコンベヤを動かすためには、モーターの動力を個々の搬送ローラーに伝える必要があります。
搬送ローラーに動力を伝える駆動方式として、丸ベルト駆動、平ベルト駆動、チェーン駆動、隣接ローラー駆動などがありますが、摩擦によって動力を伝える駆動方式の場合はチリやホコリの発生原因となります。
また、使用する部品が多いほど消耗品の劣化によるメンテナンスの手間が増える原因にもなります。
そこで今回は非接触駆動のマグネットコンベヤをご紹介します。
マグネットコンベヤは磁石の吸引と反発を利用した原理を用いて搬送ローラーを回転させるコンベヤです。
搬送ローラーに対して垂直な駆動シャフトが回転することにより、駆動シャフトの磁石と搬送ローラーの磁石の、S極とN極が吸引する力と反発する力を利用して駆動エネルギーを発生させる仕組みです。
駆動シャフトと搬送ローラーの間には丸ベルトのような部品は何も無く、一切接触していませんので非接触駆動方式になります。
※モーターから駆動シャフトに動力を伝える部分にはベルトを使用しています。
磁力を利用した非接触駆動のローラコンベヤは以下のような特長があります。
クリーン
丸ベルト駆動や平ベルト駆動の場合、ベルトと搬送ローラーの摩擦によって搬送ローラーを回転させているので、チリやホコリが発生し、最終的には摩耗によりベルトが切れてしまいます。
一方、非接触駆動の場合はベルトが無いので、ベルトと搬送ローラーとの摩擦によるチリ・ホコリが発生しません。
よって、クリーンな環境が求められる食品工場、薬品・製薬工場などの搬送手段として最適です。
省エネ
丸ベルト駆動のローラコンベヤは摩耗による伝達ロスを考慮してモーターの容量を大き目に設定しています。
一方、非接触駆動のローラコンベヤは摩擦等による駆動ではないので、モーターからの駆動伝達ロスが少なく消費電力を削減でき、トータルでランニングコストを大幅に抑えることができます。
また、消費電力が削減されることにより、CO₂排出量の大幅な削減にも貢献します。
メンテナンスフリー
非接触駆動は、駆動シャフトから搬送ローラーへ動力を伝える部分の消耗部品が無いので、この部分においてのメンテナンスの必要がありません。
従来のローラコンベヤと比較して消耗部品が少ないので、狭いスペースや高所などの容易にメンテナンスができない場所の設置に最適です。
安全性
非接触駆動は、基準以上の速度や過負荷がかかると、磁石のN極・S極が同期せずに脱調現象が発生します。
この現象により、作業者がローラー間に指を挟まれた場合でも、搬送ローラーが回転しなくなりますので、巻き込まれ事故を防ぐことができます。
特殊なコンベヤ
平ベルト駆動ではできない、非接触駆動だからできるコンベヤもあります。
搬送ローラーを斜めに配置することにより、機械的・電気的なコントロール無しに、ランダムに流れてくる搬送物をコンベヤの特性のみでコンベヤ中央に1列に整列させることができます。
ローラコンベヤの導入や更新を検討される際には、こちらの非接触駆動のローラコンベヤを検討されてみてはいかがでしょうか?
搬送に関して、困っていることや解決したいことがありましたら、ぜひ私どもにご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。