お客様の工場から製品を出荷する際、荷崩れ防止としてどのような対策をされていますか?
荷崩れ防止策として広く一般的に使用されているのがストレッチフィルムです。
パレットに積まれた商品にストレッチフィルムをひっぱりながら巻くことにより、積み荷がしっかりと固定され、荷崩れ防止策としてとても有効です。
しかし、積み荷にストレッチフィルムを巻くには、人手や機械で巻く工程が必要になります。また荷受け側も、ストレッチフィルムを剥がして処分する手間や費用が発生してしまいます。
そこで今回は、塗布するだけで荷崩れを防止する荷崩れ防止用接着剤をご紹介します。
荷崩れ防止用接着剤を段ボールケースの天面に塗布し、その上に段ボールケースを積み付けると、段ボールケース同士が接着されて荷崩れを防止することができます。
特長
剪断方向(接着剤層と平行な方向)の力に強く、垂直方向には簡単に剥がれるという特性があります。
従って、荷崩れの原因である運搬時などの横揺れの動きではしっかりと段ボールケースをホールドするのに対して、荷ほどき時の段ボールケースを持ち上げる垂直方向の動きでは段ボールケース同士が貼りつくことなく作業の邪魔をしません。
また、段ボール紙および紙袋の表面を破損しません。
※積み替え後、防滑効果は持続しません。但し、積み替え後も効果が持続するタイプもあります。
接着剤の種類
水で簡単に洗い落とせる安全性の高い水溶性接着剤です。
速乾性のある接着剤や接着力の強い接着剤など、段ボールケースの大きさや重量などに応じて接着剤を選ぶことができます。
塗布方法
荷崩れ防止用接着剤をハンドガンやオイル差し等を使用して手動で塗布する方法と塗布機を使用して自動で塗布する方法があります。
塗布機は既設ラインに取り付けることができ、ライン構成を変える必要がありません。
塗布の仕方には、線状に塗布する“ビード塗布”、スプレーで塗布する“噴霧塗布”の方法があります。
ビード塗布は接着力が強く、軽い段ボールでもしっかり固定することができます。
スプレー塗布は速乾性が高く、糊跡がほとんど目立ちません。
※塗布機のノズル調整でビード塗布とスプレー塗布を選択できます。
効果
塗布機で荷崩れ防止用接着剤を段ボールケースに4点打ち(1点あたり約0.1gの塗布量)した場合、塗布後1時間で、約20㎏の剪断強度があります。
20㎏のバッグインボックスを縦に2つ積んで傾ける実験では、傾き約45度まで耐えることが証明されました。
※4点打ちとは、ノズルを2つ使用し、箱の天面4箇所に塗布します。1つのノズルにつき2箇所ずつ塗布します。
経済性
少ない塗布量で荷崩れ防止効果があり、原料がナフサ価格の影響をほとんど受けない為、優れた経済性があります。
また、常温で使用するため、ホットメルトのような熱源が必要ありません。
ストレッチフィルムと比較して、ランニングコストを大幅に削減することができます。ランニングコストを最大75%削減した実績があります。
荷崩れ防止用接着剤を導入すれば、資材コストとプラスチックゴミの両方の削減を実現することが可能です。
さらに、塗布を自動化することにより、ストレッチフィルムを巻くためにかかっていた人件費の削減も可能です。
用途
段ボールケース以外にも、クラフト包装紙などの紙製品の防滑にも使うことができます。
ストレッチフィルムには異物混入防止や積み荷保護などの目的もありますので、今回ご紹介した荷崩れ防止用接着剤がストレッチフィルムの代替としてすべてのお客様に当てはまるわけではありません。
荷崩れ防止できるならストレッチフィルムを巻かなくて良いというお客様はこちらの荷崩れ防止用接着剤を一度検討されてみてはいかがでしょうか?
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。