プラスチックフィルム包装は、安価で軽量、加工がしやすいなどといったメリットがある一方、ピンホールが発生する可能性があります。
とくに食品のフィルム包装におけるピンホールの発生は、内容物の酸化や菌の繁殖、液漏れなどの原因となり、製品の品質や消費者の健康に重大な影響を及ぼす可能性があります。
ピンホールが発生した製品の出荷を防ぐために、人手を使ってピンホールを検査する場合は人件費がかかってしまいます。
また、検査する者によって検査の品質にばらつきが出てしまうため、検査の標準化が困難です。
さらに、人の検査(目視や加圧)では、検査のスピード・能力に限界があるため、生産性が上がらず、ピンホールの大きさによっては発見できない場合があります。
そこで今回は食品用高電圧式ピンホール検査機をご紹介します。
製品の包材に高電圧の電流を流し、流れる電流の微細な違いを検知して、ピンホールの有無を検査する機械です。
高電圧方式の仕組み
電極で検査対象の製品に高電圧を加えます。
製品包材にピンホールがあると検査電流が穴を通過し、良品より高い電流が流れることにより検出することができます。
内容物の抵抗値を検知して判定をしているので、良品より高い電流が流れる=抵抗値が低い=ピンホールがあるという判定になります。
高電圧方式のピンホール検査機には下記のような特長があります。
μm以下の微小穴検知が可能
高電圧方式ピンホール検査機の最大の特長は精度です。
微細な電流の変化を検知できるため、0.1μm以下のピンホールの検査が可能です。
人間の目では認識できないほどの小さな穴でも検出することが可能です。
非破壊で検査が可能
検査対象(製品)に検査電流を流して検査するため、製品に物理的な強い力が加わることがなく、製品の包装や内容物を破損するようなことがありません。
製品への二次汚染がない
検査に薬品やガスなどを使用するのではなく、電気を使用しているため、商品に与える影響が限りなく少ないです。
高速処理で全数検査
高電圧方式は、電流を回路判定することで高速検査が可能です。
一分間に最大150個検査することができるので、製品の全数検査が可能になります。
多彩な包装に対応
製品に合わせて電極の配置を変えることにより、パウチやカップなどの様々な包装に対応が可能です。
検査対象は内容物が電気を通すものかつ、空気が入っていない満充填の製品になります。
※アルミパウチの製品や表面が結露している製品は製品表面で通電してしまうため検査出来ません。
※多少の空気が入っていても検査は可能ですが、必ず製品テストをする必要があります。
ピンホール検査機を製造ラインに組み込む場合は、製品に合わせた搬送方法を選定し、選別機を含め提案も可能です。
こちらのピンホール検査機を導入することにより、インラインでの全数検査、コスト削減、品質安定化、生産性向上などが期待できます。
また、加圧方式(樹脂、アルミ包材)のピンホール検査機、製造ラインに機械を組み込むのが難しい場合は持ち運び型のピンホール検査機もあります。
ピンホール検査機に関心があるというお客様はぜひ私どもにご相談ください。
ピンホールが頻発する場合は、検査機の導入よりも包装材の見直しが必要かもしれません。
板橋工業では包装材の提案も可能ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。