私たちがよく目にするカゴ車は、メーカーや物流センターからトラックに積み込んで店舗に到着するまでの運搬、さらに、店舗内において運搬と品出しまでできるため、小売業で広く使用されています。
しかしその一方で、段ボールケースのカゴ車への積み付け、さらに、サイズが異なる段ボールケースのカゴ車への積み付けは、高度な技術が必要になるので今まで自動化が進んでいませんでした。
まず、カゴ車は柵に囲まれているので、ロボットのアームが柵にぶつからないように制御する必要があります。
さらに、異なる大きさの段ボールケースを積みつける場合は、それぞれの段ボールケースの大きさを認識して、空いているスペースへ効率的に積みつけることが必要になります。
人による作業の場合は、作業者が意識せずとも自然にしている作業ですが、パレタイザー単体では再現が難しい作業です。
そこで今回はカゴ車やカートラックへの混載が可能になるビジョンパレタイズシステムをご紹介します。
多関節ロボットと3次元ビジョンカメラを組み合わせて、サイズの異なる段ボールケースをカゴ車やカートラックへ効率的に積み付けることを可能にするシステムです。
もちろん、パレットへの積み付けも可能です。
積み込みに必要なケースの寸法と積み付け位置は2台の3次元ビジョンカメラで検出します。
2台のカメラはそれぞれ、コンベヤなどの供給側上方と、積み付けるカゴ車やカートラックなどの配置側上方に設置します。
この2台のカメラでワーク吸着位置やワーク積み付け位置を認識します。
この情報をAI搭載のコントローラーが解析し最適な積み付けパターンを自動生成し、ロボットアームの軌道生成も自動で行います。
カゴ車やカートラックのようにフレームがある台車への積み込みも、フレームへの接触を回避しながら最適経路で確実に積み付けます。
従来行っていた荷物寸法などの事前登録やティーチングが不要となるため、設置、即稼働を実現し、その後の運用コストも大幅に低減することができます。
ロボットのハンドはケースの上面を吸着するバキュームハンドにすることでサイズの異なるケースに幅広く対応します。
動作の様子が分かるこちらの動画をご覧ください。
ビジョンデパレタイズシステム
段ボールケースをパレットやカゴ車からコンベヤに移し替える荷降ろし作業は、積み付け作業と同様に作業者に負担のかかる作業です。
多関節ロボットと3次元ビジョンカメラと組み合わせたシステムで、サイズの異なる段ボールケースが混載されていてもパレットやカゴ車からの荷降ろしが可能になります。
上部に設置した3次元ビジョンカメラでとらえた段ボールケースをAI搭載のコントローラーで寸法や形、柄などを解析しながら効率よくデパレタイズします。
混載の場合は、荷物間の狭いすき間や位置ずれなどを計算しデパレタイズします。
段ボールケースだけではなくクラフト袋もデパレタイズ可能です。
輸送中や荷降ろし時の振動で荷姿が不安定になっていることから、ロボットによるデパレタイズが難しいとされていましたが、ビジョンシステムを導入することで搬送物の位置を正確に読み取り、安定したデパレタイズが可能になりました。
ビジョンカメラと組み合わせることで、毎時最大800ピック(段ボールケースの場合)を実現します。
※ケース条件、レイアウト等により処理能力は異なります。
動作の様子が分かるこちらの動画をご覧ください。
ビジョンカメラはプロジェクタ方式と、周囲の明るさに影響されにくいレーザー方式があり、搬送物や設置環境によって選択します。
パレタイザーも能力に合わせて高速タイプと標準タイプが選べます。
※ビジョンパレタイズシステム・デパレタイズシステムは事前に検証テストを行う必要があります。
※搬送物の状態や設置場所ほか、条件によっては対応できないこともあります
今回ご紹介したビジョンパレタイズシステム、ビジョンデパレタイズシステムに関心のあるお客様はぜひ私どもにご相談ください。
段ボールケースのケースの積み付けをはじめ、重量物を扱う手作業を省力化・自動化する様々な機器を取り扱っています。
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