折板屋根(せっぱんやね)は金属の板を折り曲げ加工した屋根材で、工場や倉庫などの大型建築物で広く採用されている金属屋根です。
折板屋根は工事が短期間であることや比較的安価に施工できるメリットがあります。
しかしその一方で、屋外と屋内を隔てているのは熱伝導率が高い金属板一枚だけであるため、太陽からの赤外線(太陽放射)が当たり折板屋根で発生した輻射熱がそのまま屋内に放出されます。
とくに夏は折板屋根が80℃に迫る温度まで上昇し、これが輻射熱として屋内の人体めがけて放出されることになります。
そこで今回は折板屋根の遮熱・断熱システムをご紹介します。
折板屋根(※)の上に専用金具を取り付け、折板屋根に対して80%程度をカバーするようにポリエチレン系樹脂のシートを取り付けることで遮熱・断熱などの効果を得ることができます。
※ハゼ式と重ね式の折板屋根に取り付け可能です。
遮熱効果の仕組み
1.シートの遮光により日陰ができ、屋根の温度上昇を防ぎます。
2.シートと屋根の空気層が熱伝導を抑えます。
3.シート孔や空気層に風が通り、暖められた空気を自然に逃します。
夏の遮熱・熱中症対策
夏の厳しい暑さでも屋根の温度を低下させ、屋内への輻射熱の影響を小さくすることができます。
その結果、作業者が熱中症になるのを防ぎ、暑さによって作業効率が低下するのを防ぐことができます。
冬の保温・結露緩和対策
折板屋根の建物では、冬に暖房をしているにも関わらず、なかなか暖まらないということがあると思います。
これは暖かい熱が放射冷却によって屋根から屋外に逃げてしまうことが原因です。
遮熱・断熱システムは夏だけではなく、冬も効果を発揮します。
ポリエチレン系樹脂のシートによって屋根からの放射線熱が遮られ、屋根との間の空気層は、空調で暖められた屋内の空気を逃さないようにする断熱層として機能します。
積雪時は雪がシートに積もるため折板屋根が直接冷やされるのを緩和します。
さらに、放射冷却を抑えることにより結露も抑えることができます。
省エネ・空調効率改善
夏の遮熱効果と冬の保温効果により通年での空調コスト削減が可能です。
一年を通して電気使用量が低減することにより、デマンド値を下げることも可能となります。
また、風によってシート下の空気層の熱ごもりが解消されるため、風速があるほど夏場の空調費削減率が上がります。
雨音・音鳴り低減
ポリエチレン系樹脂のシートが雨やあられを受けることで、金属屋根をたたく雨音が低減します。
折板屋根の収縮によって起こる「バーン!」といった破裂音に対して、シートにより太陽光が折板屋根に直接当たりにくくなり、屋根温度の平準化が図れるため、音鳴りの抑制が可能です。
屋根材保護
折板屋根に直接紫外線が当たらなくなるため、塗装面の劣化やサビの発生などのタイミングを遅らせることができ、屋根の長寿命化につながります。
遮熱・断熱システムは短工期(1000㎡を1日で施工可能)、かつ、ほかの工法の1/2程度のコストで施工が可能です。
燃料・電力を使わないので維持費はかかりません。
シートが汚れても効果は持続し、耐候性能は約10年と長寿命です。
こちらの動画をご覧ください。
折板屋根の建物で暑さ・寒さ・音鳴りでお困りのお客様は一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。
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