X線検査機は、X線を検査対象物に照射して透過した画像を撮影し、人の眼では見つけにくい異物などの異常を発見するための装置です。
X線を細いビーム状にして検査品に照射し、半導体型ラインセンサで透過量を計測し画像として撮影します。
撮影されたモノクロのX線透過画像を解析し、異物とそれ以外のものを自動判別します。
金属以外にも、金属検出機では発見できない石、ガラス、骨、硬質ゴムなどの異物を非接触・非破壊で検出することができます。
従来のX線検査機の場合、X線は上から照射します。
しかし、スタンディング製品(縦置き製品)に対して上からX線を照射すると製品の厚みの影響で感度が低下してしまい、満足な感度を得ることができません。
そこで今回はボトル容器など背の高い商品を縦置きのまま検査が可能な横照射型のX線検査機をご紹介します。
横照射型X線検査機の特長
製品の側面からX線の照射が行えるため、従来のX線検査機では異物の検出が難しいスタンディング製品の検査に適しています。
スタンディング製品を検査するときにX線が上から照射されると、厚手方向への照射になるため製品内が濃く撮影されてしまい、検査に十分な感度を得ることができません。
一方、横照射型のX線検査機は製品の側面にX線を照射することにより、スタンディング製品の幅が薄い方向(薄手方向)から照射されることになるので、感度の高い検査が可能になります。
よって、はちみつ瓶や酒瓶、豆乳パック、ペットボトル飲料、ボトル状のドレッシング・ソース、丸形のウエットティッシュなど、スタンディング製品の異物検査が可能になります。
また、上からの照射では難しい液面位置の異常を発見することが可能になります。
特長を生かした応用例
アルミ包装内の錠剤シートがずれるとアルミ包装の破損や、シートから錠剤が押し出されるといった品質に関わる問題が発生する可能性があります。
問題のある製品が出荷されるのを防ぐためにはX線検査機により、アルミ包装内の錠剤シートの重なりやかみこみ検査をする必要があります。
しかし、アルミ包装の錠剤シートの重なりやかみこみを検査する場合、従来のX線検査機で異常を発見するためにはX線照射前に検査品の搬送向きを変えなければなりません。
アルミ包装の側面を下にして立てた状態で搬送することになり、搬送が安定しません。
さらに、検査品を立てる機構が必要になり、スペースをとるうえにコストもかかってしまいます。
横照射型のX線検査機を導入することにより、従来のX線検査機のようにX線照射の向きに検査品の搬送向きを合わせる必要がなくなるので、安定した搬送が可能になります。
また、検査品の搬送向きを変える工程を増やすことなく、アルミ包装内の錠剤シートの重なりやかみこみ検査が可能になります。
可能な検査
異物検査や金属系包材(缶詰・アルミ包材等)の中身検査や形状検査のほか、個数の過不足を検査する個数検査、任意の部分を対象から外して検査するマスク検査、密度を利用して重量の検査をする相対質量検査等の検査が可能です。
商品に混入した異物が実際にどの程度検出できるか、サンプルテストも承ります。
検査品の寸法や搬送状態に合わせて照射位置を通常の上から照射、あるいは、今回ご紹介した横から照射と選択できるようになるため、より効果的な検査ができるようになります。
X線検査機の感度でお悩みのお客様はぜひ私どもにご相談ください。
板橋工業ではX線検査機をはじめ、ウェイトチェッカー、金属検出機、印字検査装置、色彩選別機等、製品の検査・選別に必要な各種機械を取り扱っています。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。