食品の微生物汚染管理は全世界で重要管理点となっています。
食品に存在する有害な微生物をコントロールし、食品の安全性を確保することは、消費者の食中毒や感染症を防ぐためにとても重要です。
中でも特に重要な一般細菌・大腸菌数の管理は、48時間かけて実施する公定法が一般的です。
しかし、検査に48時間かかってしまうと、原料受け入れ時や各製造工程間などで自主的な検査を行いたい場合、タイムリーに検査することができません。
そこで今回は測定時間を大幅に短縮する一般細菌・大腸菌同時測定装置をご紹介します。
従来の方法だと48時間かけて目視で測定していた微生物検査を、一般細菌・大腸菌同時測定装置は前処理を含めてたった15分、自動で測定できるようになります。
※公定法による測定ではないので、保健所への提出資料としては有効ではありません
測定対象
すべての一般細菌と、大腸菌などのO抗原を持つ菌類の2種です。
O抗原を持つ菌類のメインとなるのが、糞便由来の大腸菌です。
その他のO抗原を持つ菌類には、腸内細菌科菌群の中のサルモネラ菌や赤痢菌、腸炎ビブリオ菌、一部大腸菌群が含まれます。
いずれも細菌感染症に関与する菌で、下痢、嘔吐、食中毒、敗血症、尿道炎、髄膜炎、赤痢、肺炎、チフス、ペストなど、さまざまな疾病を引き起こします。
そのため、感染症対策においては、大腸菌に加え、管理が重要になっています。
検査原理
メーカー独自開発の試薬によって一般細菌と大腸菌などのO抗原を持つ菌類を蛍光染色させ、ステージ稼働型蛍光顕微鏡を用いて測点エリアの蛍光点を自動カウントします。
内蔵カメラで撮影された画像をソフトウェア上でライブラリのデータと照らし合わせ、それらと一致した菌をカウントします。
顕微鏡で測定するので、目視で確認できるようにコロニーを形成させる必要はなく、時間をかけて培養せずに菌数をカウントすることが可能になります。
一般細菌・大腸菌などのO抗原を持つ菌類の両方の菌数管理を直接測定によって実施するため、食品原材料や製品中に存在する菌を高精度に測定可能です。
これは、微生物迅速試験法(日本薬局方)にて分類されている、『 直接的検出法 固相サイトメトリー』 の測定原理・手法にあたります。
測定手順
① 前処理
・検体を液体の状態にする
・試薬を添加して撹拌
・スライドグラスに測定フィルターをセット
・フィルターへ検液を滴下
② 前面ドアを開け、測定フィルターを載せたスライドグラスをセット
③ 専用アプリで「測定開始」をクリック
④ 測定結果を確認
一度に測定できる検体数は1つになります。
1検体あたりの測定時間は約10分であるため、1時間に測定できる検体数は6検体になります。
測定結果の数値データは任意のフォルダにcsvファイル形式で自動保存されます。
ファイルには ①菌数、②測定日時、③装置のシリアルナンバー、④装置名、⑤オペレータ名、⑥検体 のデータが含まれます。
導入メリット
① 安心感を提供
HACCPやFSSC22000対策における自主検査の実施に有効であり、原料受入時や製品出荷前のタイムリーな検査が可能になり、食中毒発生の不安やそのリスクを軽減することができます。
② コスト削減
製造工程内のタイムリーな検査実施により、従来の一般衛生管理の緩和・見直しが可能になり、エネルギー経費を削減することができます。
製品出荷までの時間短縮・食品廃棄時期の延長による売上向上、および、在庫保管場所縮小に伴う管理コストの削減が可能になります。
③ 環境問題に貢献
原料汚染の懸念など、食品製造現場における食品廃棄を抑制しフードロスを低減します。
一般衛生管理の緩和によってエネルギー消費を抑制し、CO2排出量を削減します。
一般細菌・大腸菌同時測定装置を導入することで、簡単・スピーディーに微生物検査を行うことができるようになります。
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