現場における重量物の昇降作業は、作業者の安全性や作業効率に大きく影響します。
例えば、作業者がはしごや階段を使って重量物を持ち上げたり降ろしたりする場合、足場が不安定になり、転倒や落下のリスクが高まります。
さらに、一度に運べる荷の量が限られるため、作業時間が長くなり、全体の作業効率にも影響を及ぼします。また、作業者の身体的負担が増し、長時間の作業が困難になります。
そこで今回は、電動ワイヤーによる安全性と操作性を両立した電動ワイヤーアッパーをご紹介します。
100Vの電源があれば特別な準備は不要で、手元のリモコン一つで昇降速度を無段階に調整できるため、作業者は直感的かつ精密な操作を行うことができます。
1.スムーズで精密な昇降調整能力
無段階での調整が可能であるため、ミリ単位での微細な高さ調整が求められる場面でも、容易かつ正確に対応できます。
また、一定速度で昇降する電動ワイヤーウインチ方式を採用しているため、気圧式の昇降機のような反発によるマストの急な飛び出しや、フワッとした不安定な上昇感は一切ありません。
さらに、角パイプ構造を採用することで、昇降時の天板の回転も抑制し、安定した作業が可能です。
これにより、人手による持ち上げ作業と比較して、より精密な設置が可能となり、精密機器の据付作業のように、わずかな衝撃も避けたい繊細な作業においても、正確な位置決めを実現します。
キャスターが付いている機種であれば、設置場所での水平方向の移動が容易に行えます。
※キャスター付きの機種は2種類、キャスターなしの機種も2種類あります。段差のある場所で使用する場合は、キャスターなしの機種をお選びください。
最大積載荷重は70㎏~150㎏、最大約4mまでの高さまで上げることができます。
※設置の状況や機種によって異なります。
2.設置の容易さと操作の簡便さ
特別な工具を必要とせず、一人で組み立てを行っても、わずか1分で設置が完了します。
無段階で伸縮する脚を採用したタイプもあり、段差や傾斜のある不安定な現場においても、安全かつ水平な作業が可能です。
電動モーター一体式であるため、気圧式のようにエアコンプレッサや炭酸ガスが不要で持ち運びも容易です。
昇降の操作はトリガーのついたリモコンで簡単に操作できます。上昇・下降の切り替えは、リモコンのレバーを切り替えるだけです。
トリガーはスピードコントローラーも兼ねています。トリガーを軽く引くとアッパーが低速で作動、トリガーを強く引くと作動スピードが上がります。
3.電源のない現場や不測の事態への対応力
100Vコンセントでの駆動を基本としていますが、不測の事態が発生した時や停電に備え、緊急停止ボタンと手動ハンドルも装備しています。
これにより、電源が確保できない場所や停電時においても、手動操作に切り替えることで、安全に作業を継続することが可能です。
例えば、工場での昇降作業中に予期せぬ停電が発生した場合でも、手動ハンドルを用いることで、積載物を安全に降ろすことができます。電源の確保が難しい場合や微調整が必要な場合でも、必要に応じて手動操作に切り替えることが可能です。
また、過負荷保護機能を搭載しており、過積載時には、その荷重で可能な最大の高さで過負荷保護装置が作動して上昇を停止します。
導入事例
お客様の工場では、完成品を縦ピロー包装機に投入する作業が行われています。
従来は、作業者が約4kgの袋を持ち、階段を使って2mほどの高さのフロアに上がり、ピロー包装機へ投入していました。
しかし、この方法では袋を持ちながら階段を上るため、作業者の安全性に欠け、袋の落下リスクもありました。
そこで、安全性向上と省力化を図るため、電動ワイヤーアッパーの導入を提案しました。
省スペース設置が可能で、高い移動性と操作性を備えおり、現場の作業環境にも適しているためです。
導入後は、作業者が階段を上る前に電動ワイヤーアッパーで完成品の入った袋を持ち上げ、フロアへ運搬するようになりました。
これにより、作業者の安全性が向上し、袋の落下リスクも解消されました。
さらに、これまで作業に慣れた作業者のみが対応していた作業が、誰にでもできるようになり、作業の負担が軽減されました。
手作業による昇降作業は、作業者の身体に大きな負担をかけ、作業効率の低下や安全面でのリスクが懸念されます。
これらの課題を解決し、重量物の昇降作業における安全性と作業効率を大幅に向上させる電動ワイヤーアッパーを、ぜひこの機会にご検討ください。
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