近年、地球温暖化の影響により、夏場の気温上昇が顕著となり、空調の室外機は45℃以上の熱風を吸い込むことで熱交換効率が低下し、過剰な負荷がかかります。
この状況が続けば、消費電力の増加はもちろんのこと、電力消費量が急増すると室外機の運転停止(高圧カット)に至ることも少なくありません。
こうした課題が放置されると、設備の劣化が早まり、修繕コストの増加、さらには工場や倉庫の生産性や品質の維持にも影響を及ぼす可能性があります。
そこで今回は、遮光により空調機の運転効率を向上させ、電気代を大幅に削減する室外機用特殊ネットをご紹介します。
室外機用特殊ネットは、空調の室外機を特殊なネットで囲うことで、直射日光や紫外線をカットして空調設備の消費電力を抑え、光熱費とCO2の削減を実現します。
特殊なネットと、それを支えるための骨組み(フレーム)から構成されています。
室外機用特殊ネットの特長
高い遮熱性と通気性の両立
この室外機用特殊ネットは、高密度のポリエチレン製特殊ネットを採用しており、直射日光を効率的に遮りながらも、適度な通気性を確保します。
遮光率は約83%〜87%と非常に高く、日中の熱負荷を大幅に軽減することが可能です。
同時に、約33%の通気率を持つため、室外機周辺に穏やかな空気の流れを生み出し、空調機の吸気温度上昇を抑制します。
メンテナンスを考慮した設計
室外機の吸込口とネットの間には、約50cm以上(推奨:約70cm)の適切な間隔が確保されています。
これにより、室外機の日常の点検や清掃といったメンテナンス作業を容易に行えるだけでなく、空気の流れが阻害される心配もありません。
導入後も特別な手間を要さず、維持管理が容易です。
あらゆる空調機に対応する柔軟な設置性
この特殊ネットは、現場の屋上状況に合わせて柔軟に設置できる点が大きな利点です。
アンカーボルトの打設が不要なため、既存の建物を傷つけることなく導入できます。
また、トップフロー型・サイドフロー型のビル用マルチ室外機だけではなく、各種チラーユニットまで、メーカーや容量を問わず幅広い空調機に対応。単台設置はもちろん、複数台を連結した大容量システムにも柔軟に対応可能です。
※導入推奨エリア:基準風速40m/s以下、垂直積雪30㎝以下の地域
導入によるメリット
年間電気代の大幅削減
特殊ネットの導入により、室外機が安定した温度の空気を吸い込むため、消費電力量を年間で10%から30%も削減できる可能性があります(※)。
投資回収期間も平均で3~5年と短く、導入後のランニングコストは一切かからないため経済的です。
※室外機の種類や台数、設置の状況によります。
空調機本体の長寿命化
直射日光や外気温の影響を軽減することで、室外機にかかる負荷が大幅に軽減されます。 これにより、真夏の高負荷運転時における高圧カットによる停止を防ぎ、故障のリスクを低減し、結果として空調機本体の寿命を延ばす効果も期待できます。
冬場の安定稼働にも貢献
夏場の省エネ効果だけでなく、冬場でも効果を発揮します。
ネットが室外機周辺に穏やかな空気層を作り出すことで、急激な外気温の低下から機器を保護します。
これにより、熱交換器のフィン凍結リスクを低減し、デフロスト運転の頻度を抑え、冬場の安定した運転を確保します。
作業環境の維持と品質保持
空調設備の安定稼働は、工場や倉庫内の温度管理を適切に維持するために不可欠です。
室外機用特殊ネットは、空調機の効率を向上させることで、屋内の設定温度をより安定的に保ち、作業環境の快適性維持に貢献します。
特に温度管理が重要な食品工場などにおいては、製品の品質劣化を防ぎ、安定した品質保持に寄与する間接的なメリットも生まれます。
メーカー導入事例
某商業施設に9台連結で導入されたケースでは、半年間に約14%の削減率で約577,118円の電気代削減を実現しました。
また、工場ではチラー14台に導入され、1年間で約19%の削減率で約4,940,000円の電気代削減効果を上げています。
このように、大規模施設においても、室外機用特殊ネットが高い省エネ効果を発揮します。
空調コストの削減は、企業の収益改善に大きく貢献する要素の一つです。
室外機用特殊ネットは、初期投資を短期間で回収(※)しながら、長期的な省エネ効果を期待することができます。 ※設置の状況によります。
まずは貴社の空調設備の状況をチェックし、導入可能性を検討されてみてはいかがでしょうか。
導入前には、概算見積りや、年間の省エネ効果を予測する簡易シミュレーションも実施可能です。具体的な削減効果を数値でご確認いただけますので、ぜひご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。どうぞ、お気軽に食品工場物流ナビへお問い合わせください。