食品や化学製品の製造現場では、工程間での材料搬送において様々な課題があります。
例えば、食品製造工程では、高温のスパイスやチョコレートなど、次の工程まで冷やしながら搬送する場合があります。
しかし、コンベヤの材質によっては高温や低温環境に耐えられない場合があり、搬送時に問題が生じると次の工程へスムーズに流れなくなってしまいます。
そこで今回は、クリーンルーム内や高温・冷凍などの特殊環境にも対応できるステンレス製スチールベルトコンベヤをご紹介します。
このコンベヤは剛性が高く高寿命で、ベルト使用に伴う摩耗が少ない優れた耐摩耗性を持っています。
スチールベルトコンベヤの特長
優れた清掃・殺菌性能
ベルト表面は汚れにくく、スクレーパーによる掻き取りも容易です。蒸気や熱湯での清掃・殺菌が可能で、常にベルト表面を衛生的に保てます。
幅広い温度・環境対応
通常-50℃~250℃の低温から高温まで使用可能です。冷凍庫内での食品冷凍から練製品の焼成・蒸煮まで、クリーンルーム内や真空・高温・冷凍などの特殊環境にも対応できます。
高い衛生性と安全性
ベルトは非常に硬く表面に傷ができないため、雑菌の繁殖が抑えられます。ベルト自体のほつれがないため異物混入を防げ、油や酸にも優れた耐久性があり、食品・化学製品の搬送に安心してご使用いただけます。
優れた耐久性とコスト効率
剛性が高いため高寿命で長期間使用でき、優れた耐摩耗性によりベルト使用に伴う摩耗を最小限に抑えます。ゴムベルトやプラスチックベルトに比べて寿命が長く、構造も簡単で維持費・管理費を節約できます。
高精度な搬送性能
ベルトの伸びが少なく、駆動に対して高い応答性が得られます。高精度で送りムラ(ガタつきや振動など)のない動力伝達を実現し、大型のものから小型のものまで製作可能で、多様な場面で使用できます。
食品業界での活用事例
・蒲鉾等の練製品の製造
・冷凍食品製造
・食肉工場におけるミートカット
・砂糖やチョコレートなど食品・菓子類の搬送
・寒天・豆腐・キャンディ・キャラメル(カレールウ、ガム)等の冷却
・食品の乾燥
・清酒工場における醸造過程
様々な環境下で使用されているスチールベルトコンベヤの具体例をご紹介します。
1)食品冷却ベルトコンベヤ
スチールベルトは放熱しやすく衛生的なため、自然冷却や裏面からの水噴射により、豆腐、寒天、キャラメル、キャンディ(カレールウ、ガム)等の冷却成形に最適です。また、ジャム等のパックをダブルクーラーによりプレス成形することも可能です。
2)冷凍ベルトコンベヤ(ベルトフリーザー)
スチールベルトは低温でも変化がないため、冷凍庫内での食品の連続冷凍に使用されています。スチールベルトコンベヤと冷凍装置を組み合わせた構成で、凍結温度は庫内通過時間で調整できます。
3)焙焼ベルトコンベヤ(ベーキングコンベヤ)
蒲鉾などの練製品を連続調理・生産するのに使用されます。ベルトの上下面を有効活用した設計により、ベルトを1本のみ使用するためコスト軽減にも役立ちます。
4)乾燥ベルトコンベヤ
スチールベルトは熱に強く表面が硬く滑らかなため、パウダー状製品の乾燥に適しています。シュート部での掻き取りも非常にスムーズに行えます。
化学材料の搬送にも最適
食品製造だけでなく、以下のような化学材料の搬送にもスチールベルトコンベヤは欠かせません。
・フェノール樹脂、エポキシ樹脂
・ポリアミド、ポリエチレン
・シリコン樹脂、ポリプロピレン
・ピッチ、トナー、粉体塗料等
ステンレス素材は耐洗浄薬品性に優れ、洗浄・殺菌時に高温水やアルカリ薬品を使用しても収縮や劣化が起こりません。ベルト生地に生菌が侵入せず、ベルトに菌が残らないため、食品搬送はもちろん化学材料の搬送にも最適です。
スチールベルトコンベヤは、その優れた性質により、食品・化学製品などの製造現場で数多く使用されています。
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