食品の安全性を守る上で、工場の衛生管理は避けて通れない重要なテーマです。
HACCP導入の義務化などを背景に、製造環境全体に対する衛生意識はますます高まり、改修時には抗菌性能だけでなく「清掃のしやすさ」も強く求められるようになりました。
しかし、壁や天井は経年劣化が進むと、塗装の剥離が異物混入につながったり、壁裏の見えない隙間がカビや虫の温床になったりする危険性をはらんでいます。
そこで今回は、異物混入や菌の発生リスクを低減し、高い衛生環境を実現するFRPパネルをご紹介します。
従来の塗装やステンレスパネルによる改修では、経年劣化による塗料の剥離や、下地との間に生じる隙間が課題とされてきました。
FRPパネルは、これらの問題を解決するために開発された新しい工法であり、食品工場の壁面や天井の改修に最適な選択肢として注目されています。
FRPパネルの特長
特長1:隙間を作らない薄さと密着性
FRPパネルの最大の特徴は、わずか1mmというその「薄さ」にあります。
この極薄の樹脂成型パネルは、壁や天井の躯体の凹凸やうねりにしなやかに追従するため、パネルと下地の間に「泣き別れ」と呼ばれる隙間が生じる心配がありません。
さらに、施工には弾性のある専用の接着剤を使用し、パネルと壁面を確実に密着させます。 これにより、蒸気がこもりやすい食品工場や調理場でも、カビや虫が繁殖する原因となる壁裏の隙間を根本からなくすことが可能です。
特長2:異物混入リスクを大幅に低減
食品工場において、異物混入は絶対に避けなければならない問題です。
従来の塗装による壁面は、経年劣化や洗浄剤の使用によって塗料が剥がれ、製品に混入する恐れがありました。
また、ステンレスパネルを固定するために使用したビスが劣化して脱落することも、異物混入の原因とされています。
その点、FRPパネルは施工後に相当年数が経過しても表面が削れることがないため、生産ラインの壁や天井に使用しても異物混入の心配がありません。
特長3:優れた清掃性と抗菌性能
食品を扱う現場では、日々の清掃しやすさが衛生管理の鍵を握ります。
FRPパネルの表面は抗菌処理が施されており、凹凸のないツルツルとした仕上げが特長です。
この滑らかな表面は、油煙などの汚れが付着しても、洗剤を使ってサッと簡単に拭き取ることができます。
さらに、高い耐薬品性を備えているため、中性洗剤から酸性・アルカリ性の洗浄剤まで、様々な種類の洗剤を使用しても問題ありません。
物性試験では、カビの発生を28日間(実質3年以上の評価に相当)にわたり完全に抑制する「評価0」の結果が得られており、その高い抗菌性能が証明されています。
特長4:短工期・低臭気を実現する簡易施工
工場の改修工事では、生産ラインを長期間停止させることによる機会損失が懸念されます。
FRPパネルの施工は、「測る」「切る」「下地処理」「貼る」というシンプルな工程で完了するため、工期を大幅に短縮できます。 塗装のように乾燥を待つ必要もありません。
また、使用する接着剤は無溶剤タイプのため、シンナーのような刺激臭がほとんど発生しないのも大きなメリットです。 食品への匂い移りの心配がなく、営業中の工場や厨房でも安心して施工を進めることが可能です。
導入によるメリット
・衛生レベルの向上
隙間をなくすことでカビや虫の発生を防ぎ、抗菌仕様の表面が清潔な環境を維持します。FRPパネルは食品衛生法にも適合しており、HACCPの要件を満たす施設づくりに貢献します。
・異物混入の不安要素を解消
塗装の剥離やビスの脱落といった従来の課題を解決し、製品の安全性を高めます。
・メンテナンス性の向上
汚れが落ちやすく、様々な洗剤に対応できるため、日々の清掃業務の負担を軽減します。
・コストと機会損失の削減
短工期での施工により、工場の稼働停止期間を最小限に抑えられます。また、塗り床工事と同時に施工すれば、床と壁の取り合い部分も機能的かつ美しく仕上げられ、コスト削減にもつながります。
・優れた耐久性
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)は、ユニットバスや船舶にも採用されるほど耐久性・耐温水性に優れた素材です。過酷な環境下でも長期間にわたり、その性能を維持します。
工場の壁や天井の改修は、単なる美観の維持にとどまらず、食品の安全性を確保し、企業の信頼を守るための重要な投資です。
もし、現在の衛生環境に少しでも不安をお持ちでしたら、ぜひ一度FRPパネルによる改修をご検討ください。
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