不正流通をSTOP!見えない印字で信頼を守るステルスインク

製造業において、商品が正規の販売ルートから外れ、意図しない場所や方法で流通してしまうことは深刻な経営課題です。

たとえば、「このお店で売っているはずがないのに販売されている」「インターネット販売はしていないはずなのに出回っている」といった状況に直面することがあります。

この流通経路の不透明性は、複数の問題を引き起こします。市場で製品トラブルが発生した場合の信頼性低下、責任問題の発生、本来得られたはずの売上の損失などです。

さらに、流出元を特定できなければ根本的な対策も講じられず、ブランドイメージが長期的に毀損するリスクをはらんでいます。

 

そこで今回は、不正流通対策に有効なステルスインクをご紹介します。

ステルスインク

一般的な可視インクは、消費者に違和感を与える可能性がありました。

それに対し、この技術は特殊な光を当てなければ肉眼で確認できない透明な印字を実現します。この特性により、追跡情報を目立たせずに付与することができます。

 

不正流通を防止するプロセス

ステルスインクによる不正流通対策は、主に製造過程で実施されます。

まず、製造ラインでステルスインクに対応するインクジェットプリンターを使用し、製品やパッケージに透明印字を行います。

このインクは、小文字用インクジェットプリンター専用であり、特定の連続式インクジェットプリンターの機種に対応しています。

印字内容は、製造場所、製造番号、日付といった個体識別やロット識別に必要なデータです。通常は目に見えないため、外観への影響はありません。

次に、不正流通の疑いのある製品を発見・買い戻した際、ブラックライトなどで照射します。

印字箇所が青く蛍光し、隠されていた情報が現れます。これを照合することで販売ルートを特定し、不正流通の防止へとつなげる仕組みです。

 

ステルスインクの特長

特殊な光でしか現れない隠蔽性

通常は肉眼で確認できず、ブラックライト照射で初めて鮮やかな青色に蛍光します。この高度な隠蔽性により、パッケージの美観を保ちながら必要なセキュリティ情報を付与できます。

多種多様な資材への対応力

幅広い素材に高い接着性を発揮します。PET、PA、PS、ABSといったプラスチック類をはじめ、金属、紙、木材、ガラス、アクリル、セラミックス、硬質塩ビなど多岐にわたる材料に対応可能です。

印字対象物の具体的な例としては、カップ容器、レトルトパウチ、金属キャップ、ガラス瓶など、様々な形態の製品への応用が可能です。

ステルスインク印字例

高い耐久性と環境への配慮

アルコール耐性があり、流通過程での洗浄や摩擦にも強く、追跡調査の確実性が担保されます。また、白化しにくい特性も有しています。

さらに、有機溶剤中毒予防規則に非該当、REACHにも非該当で、作業環境の安全性に配慮された設計です。

 

導入メリット

不正流通の発生源を特定可能に

透明な識別情報を印字することで、問題が確認された際に発生源を正確に突き止め、具体的な是正措置を講じることが可能になります。構造的な解決に繋がります。

企業と商品の信頼性が向上

秘密のトレーサビリティシステムにより、製品トラブル時の責任の所在を迅速に明確化し、顧客への責任ある対応が可能になります。

これにより、顧客の不安を払拭し、ブランドへの安心感を高め、長期的な信頼性向上に貢献します。

売上機会の損失を最小限に抑制

早期発見・阻止により正規ルートでの販売機会を守り、企業の収益確保に直結する効果をもたらします。

 

提案事例:サプライチェーン連携によるトレーサビリティシステム

ステルスインクは、単なる印字技術に留まらず、製造から流通、営業まで連携する 高度なトレーサビリティシステム の核となります。

ある製造販売のお客様へ、不正流通元を確実に特定するため、以下の運用を提案しました。

1. 二重の印字: 万が一の事態に備え、化粧箱と商品ラベルの両方に、目に見えない識別情報(QRコードなど)をステルス印字します。

2. 製造・流通での情報管理: 工場では、個々の製品の識別情報をランダムに生成・印字し、インクジェットプリンター(IJP)のデータとして記録します。

さらに、個製品を大箱へ入れる際に、それぞれのコードを読み取り紐付けます。

倉庫での受け入れ、在庫管理、出荷処理の際にも、この紐付け情報を含むCSVファイルを基に、出荷先情報を追記し、どの個体が、いつ、どこへ出荷されたかの情報を確実に保持します。

大箱をばらして個製品を出荷(バラシ処理)する場合も、個体の追跡を維持します。

3. 不正流通の特定: 不正流通が発覚した場合、営業サイドは現場で製品に印字されたQRコードを読み取るだけで、製造日、出荷日、正確な出荷先など、すべての情報を瞬時に確認できます。

このように 「見えない印字」 をサプライチェーン全体と連携させることで、流通から外れた商品の発生源をピンポイントで特定し、構造的な不正対策の実現に貢献します。

 

 

「見えない印字」を可能にするステルスインクは、製造業が抱える根深い課題を解決する手段の一つです。

安全性に配慮されたインク特性と多様な素材への対応力により、様々な製造現場での活用が可能です。

不正流通対策の一環として、この技術の導入をご検討されてはいかがでしょうか。

 

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