近年の異常な暑さは、生産工場や倉庫における大きな課題となっています。
屋根や壁から侵入する輻射熱によって、冷房設備を稼働しても室温がなかなか下がりません。2025年6月からは熱中症対策が義務化されたこともあり、作業者の安全確保と効果的な室温対策が求められています。
また、物流現場では、食品や精密機器の輸送・保管時の温度管理が難しくなり、品質維持コストが増加している状況が見られます。
これらの課題を放置すると、エネルギーコストの増大や、デリケートな製品の品質劣化を招きかねないため、早急な対策が必要です。
そこで今回は、高い遮熱性と断熱性で工場の温度環境を効果的に改善する気泡遮熱断熱シートをご紹介します。

断熱材は熱の伝導を遅らせることはできますが、太陽光からの輻射熱を止めることはできません。
しかし、このシートは高い反射率を持つアルミ面と、熱を伝えにくい気泡層を組み合わせているため、遮熱と断熱の相乗効果によって、より効率的に室内温度の上昇を軽減できます。
さらに、冬には暖房の熱を反射し、暖房効率を高めて室内を暖かく保つことができます。
特長
優れた輻射熱反射性能と断熱性の両立
このシートは、赤外線を約97%も反射する高い遮熱性能を持っています。
熱源である太陽光の熱を反射し、熱の侵入を抑えます。
さらに、気泡緩衝材の独立した空気層が熱を伝えにくくするため、高い断熱性を発揮します。
この「遮熱」と「断熱」のダブル効果により、快適な空間づくりを実現します。
軽量かつコンパクトな設計
一般的なグラスウールや合板などと比較しても、同じ熱抵抗値を得るために必要な厚みが薄く、このシートは非常に軽量です。
運搬や高所での作業が容易に行え、作業効率の向上につながります。
また、薄型設計であるため、省スペースでの施工が可能です。
優れた加工性と高い作業性
ハサミやカッターで簡単に切断できる柔軟性を持っています。
施工方法も、釘や鋲、タッカー、テープなど多様な固定方法に対応していますので、様々な用途に応じて手軽に導入が可能です。
後付けでの施工も簡単に行えるため、法令遵守のための突発的な対策にも対応できます。

過酷な環境にも対応する耐久性と安全性
ポリエチレンとアルミで構成されており、耐食性に優れているため、長期間の使用に適しています。
特に、特殊なタイプには防食コートや防食フィルムが施されており、アルカリ性洗剤や酸性洗剤が使用されるような薬品環境においても、腐食しにくい高い耐性を発揮します。
また、有害物質や発がん性物質を含んでいないため、安全・安心な資材としても活用できます。
用途に応じて選べる豊富なラインナップ
お客様の現場や用途に合わせて、標準タイプ、エコタイプ、施工特化タイプ、高強度タイプ、不燃タイプなど、多彩なラインナップがあります。
食品・精密機器の温度管理、コストを抑えた結露対策、畜舎や薬品環境など過酷な条件下での使用、建築基準法で求められる不燃材料など、それぞれの課題に対応可能です。
また、板状の遮熱ボードタイプもあり、保冷箱の内張りや仕切り板など立体的な加工が必要な用途にも活用できます。用途や仕様に応じた特注対応も可能です。

※写真事例は標準タイプの実績となります。
導入メリット
空調経費の節約と省エネへの貢献
熱を反射する性能に加え、冬場には暖房の熱を反射し暖房効率を高めるため、冷暖房の効率が格段に向上します。
これにより、年間を通じて快適な環境を維持しつつ、空調にかかる経費を節約することが可能です。
また、環境に配慮し、全体で再生原料を90%以上使用している製品もあり、CO₂排出量の削減にも貢献します。

デリケートな製品の品質保持
輸送や保管の際、食品や医薬品、精密機器などの温度管理が難しい製品の温度変化を抑制できます。
段ボールの内側にシートを貼り、氷1kg を入れて残存率を測定した実験では、外気温40℃の環境下で、約10時間にわたり氷が残存した実験結果も確認されており、優れた断熱性能を持っています。
温度上昇を抑えることで、リーファーコンテナ(冷蔵コンテナ)からの切り替えが可能になる場合もあり、輸送コストの削減が期待できます。
作業環境の改善と法令順守
工場や倉庫の屋根、壁に施工することで、夏場の室内温度の上昇を抑制します。
熱中症対策が義務化された現場において、作業者の安全を確保し、快適性を向上させるための有効な手段となります。
赤外線ランプを用いた温度実験では、遮熱材がない場合と比較して、内部温度の上昇を約10℃抑制した例も報告されています。
気泡遮熱断熱シートは、暑熱環境や温度管理の課題に効果を発揮する資材です。薄型・軽量で施工性に優れ、後付けでの導入も容易なため、大掛かりな工事が難しい現場でも導入が可能です。
作業者の安全確保と省エネの両立に向けて、最適な製品と活用方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。 どうぞ、お気軽に食品工場物流ナビへお問い合わせください。
