日本の製造業や物流業の現場では、毎年夏場になると、過酷な高温多湿な環境が重要な課題となります。
工場や倉庫といった大規模な建物においては、高額な費用や複雑な設置環境の制約から、建屋全体に十分な空調設備を導入していない事例が少なくありません。
従来の暑さ対策として用いられてきた大型扇風機は熱い空気を循環させてしまい、冷風扇は湿度が高い環境下では冷却効果が薄いという問題があります。
ドライな冷風を送る一般的なスポットクーラーはカバー範囲が狭く、多数の設置が求められ、結果としてコストや設置スペースの面で導入に制約が生じていました。
そこで今回は、広い空間にドライな冷風を大風量で届け、夏の厳しい労働環境を快適空間へ変える移動式大風量スポットクーラーをご紹介します。
従来の冷風扇が湿度を上げてしまうのとは異なり、この製品は冷凍機を使用するエアコン式スポットクーラーです。
この仕組みにより、湿度が調整されたドライな冷風を作業空間に送ることができ、労働環境の快適化に大きく貢献することが可能です。
特長
１.体感温度12℃の超冷風を長距離送風
この装置の最大の特長は、その送風能力にあります。 吹出直近体感温度12℃の冷風を生成し、大容量の風として、20ｍ先で幅19ｍの範囲をカバーすることができます。
新型モデルでは、風量・冷却能力が大幅に向上し（風量最大110% UP、冷却能力最大112% UP）、定格処理風量は最大で毎分100㎥に達します。
特に、物流倉庫などの広いスペースで利用いただくことを念頭に設計されており、強力に冷風を流します。
２.現場のニーズに合わせた送風方式の統合
新型モデルではオートルーバー標準搭載の1機種に統合され、1台で多様な送風ニーズに対応可能となりました。
・広範囲送風: 吹き出し口に電動式のオートルーバーが標準搭載されており（左右±20°）、冷風を広い範囲に届けたいという現場のニーズに対応できます。
・ピンポイント送風への対応: 冷風を特定の場所へ集中して送りたい場合は、吹き出し口に別売オプションの『ダクトフランジ』を取り付けることで、ダクトを接続し、冷風の威力を保ちながら、ピンポイントに冷風を届けることが可能です。
夏場は酷暑となるコンテナ内や間口の狭い倉庫など、特定の必要な場所に無駄なく効率的に冷風を送ることに適しています。
３.設置工事が不要な移動式設計
この大風量移動式エアコンは、キャスター付きで、現場での移動が簡単に行えます。
大規模な設備投資を必要とせず、設置工事が不要なため、空調のない室内や倉庫内でもすぐに使用を開始できます。
電源は工場や倉庫で多く採用されている三相200Vを使用しており、設置作業は容易に完了します。
また、排水処理についても、ドレンポンプが標準装備されているため、排水作業が簡略化されています。
４.排熱処理を容易にする設計
効率的な冷却効果を得るため、発生した熱風（排熱）の処理が考慮されています。
オプションの排気ダクトや排気ルーバーを利用することで、排熱を屋外や上方向へ流すことが可能です。
倉庫や工場など天井が高い空間では、熱風を上部に逃がすように排気ダクトを使用し、働く環境へは冷風を流すといった効果的な使用方法が推奨されています。
導入メリット
１.労働環境の改善
年々厳しくなる夏場の暑さに対し、この装置は体感温度12℃の超冷風を除湿しながら広範囲に送ります。
熱い空気をかき回すのではなく、湿度を上げることもないため、工場や倉庫などで働く作業員の方々に喜んでいただける労働環境を提供できます。
この装置を作業空間に導入することで、夏の暑さから解放し、熱中症対策に貢献します。
２.運用コストの適正化
従来のスポットクーラーのように、多数の作業員のために何台も設置する必要がないため、設置にかかる初期コストや、設置スペースの削減が可能となります。
結果的に、電力使用によるランニングコストの削減にもつながり、経済的なメリットが期待できます。
３.災害時など多岐にわたる用途への活用
設置工事が不要で移動が容易なため、通常の製造・物流現場だけでなく、多様な状況で活用が広がっています。
特殊な事例として、台風や地震などの自然災害が発生した際、学校の体育館などの避難場所の冷房としても活用することができます。
特に感染症対策も必要な中、窓を開けて送風すれば、大容量の風を利用し外気と室内の空気を循環させる利用法も可能です。
現場が抱える深刻な暑熱対策の課題に対し、この移動式大風量エアコンは、労働環境を改善するための選択肢を提供します。
本商品を導入することで、作業空間にドライで快適な冷風を効果的に供給することが可能となり、作業員の皆様を夏の暑さから解放し、熱中症対策に大きく貢献します。
作業効率と安全性の向上を図るためにも、ぜひご検討ください。
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