低位置の金属異物検査が可能に!特注仕様の低床型鉄片検査機の事例
金属異物が食品に混入すると、消費者がそれを摂取した際に健康被害を引き起こす可能性があります。
また、金属異物が混入した製品が市場に出回ると、企業は消費者からの信頼を失うだけでなく、訴訟や製品回収といった大きな問題に発展する可能性があります。
よって、金属異物の検査は製品の安全性を確保するための重要な役割を果たしています。
そこで今回はスペースの問題で導入を見送っていたお客様に提案した低床型鉄片検査機の導入事例をご紹介します。
お客様から、コーヒー粉をアルミ包装する充填包装ラインへの金属検出機の導入についてご相談をいただきました。
充填包装後に金属検出機を導入したいが、縦型製袋充填包装機の排出口が低い位置にあること、さらには設置可能なスペースが限られていることがネックとなり、お客様が問い合わせたメーカーでは対応できる金属検出機がなかったとのことです。
以前、当社が特殊機の対応も可能である旨を伝えていたことをお客様が覚えていてくださり、このたびご相談いただきました。
現場調査の結果、充填包装機の排出口は地面から約200mmと低い位置にありました。
通常の金属検査機の場合、前工程で排出高さが低い場合は、傾斜コンベヤなどを使用して検査機の高さまで搬送する方法が一般的です。
しかし、今回のケースでは設置スペースが非常に限られているため、傾斜コンベアを追加することが難しい状況でした。
また、検査機を通過した後は製品をコンテナで受けるだけの工程であることから、充填機から排出された高さのままで使用できる検査機が求められていました。
さらに、アルミ蒸着フィルムで包装されているため、一般に広く利用されている電磁誘導方式の金属検出機は、包装のアルミに反応してしまい、すべてエラーになってしまいます。
そこで、当社は低床型かつ磁気誘導方式の鉄片検査機を提案しました。
この検査機は、電磁誘導方式の金属検出機では対応不可能な限られたスペースでも設置が可能であり、充填機の排出口の高さに対応できる特注仕様となっています。
その上、磁気誘導方式は、磁性を帯びる金属(鉄、ニッケル、コバルトやその化合物)を検出できる一方、アルミ包装の影響を受けません。また、内容物の温度や塩分濃度水分にも影響を受けず、極微小片でも検出できる超高感度も特長です。
<鉄片検査機の原理>
永久磁石のS極とN極が配置されています。
鉄がこのS極とN極の間を通過すると、いずれかの極が鉄に反応します。
この反応によって微小な電力が発生し、その電力が信号として検出されます。
検出された信号は装置によって処理され、異常が検知されるとアラームが作動します。
対応可能な検査機が見つからず、お客様が半ば諦めかけていたところ、当社が課題を解決する商品を提案できたことで、お任せいただける運びとなりました。
なお、今回の導入に際しては、誤作動を防止するため、搬送コンベヤのローラー軸を樹脂カラーで覆い、絶縁状態にしました。
これは、検出部から近い距離にコンベヤのローラーのような動く金属体がある場合、その金属ノイズが磁気センサーの磁力線を乱し、誤作動の原因となるためです。
低床型鉄片検査機の導入により、既存の縦型製袋充填包装機の排出口から排出される製品の磁性体異物の検査が実現しました。
さらに、検査機が未導入であることを理由に取引が難しかったお客様とも、今後は新たに取引を進めることが可能となり、大変ご満足いただけました。
今回ご紹介したのは低床型の鉄片検査機の導入事例ですが、低床型の金属検出機(非磁性体金属片も検出可能)をご提案することも可能です。
当社では、今回ご紹介した金属異物の検査機をはじめ、X線検査機、ウェイトチェッカー、印字検査機など、多種多様な検査機器を取り扱っております。
検査工程に関する課題をお持ちのお客様は、ぜひ一度ご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。どうぞ、お気軽に食品工場物流ナビへお問い合わせください。
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• 検査機 |
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