包装工程の自動化を実現!ラップラウンドケーサーとパレタイザー導入事例
生産ラインの自動化においては、必要な処理能力を満たす機器を導入することが大前提です。しかし、単に処理能力だけを基準に機器を揃えるのでは、設備投資が過剰になりかねません。
限られた予算の中で最大限の効果を出すためには、ライン構成や機器の使い方に工夫を凝らし、コストを抑えつつ最適な処理スピードを実現することが重要です。
そこで今回は、そうした視点から設計・提案を行い、ラップラウンドケーサーとパレタイザーによる包装・パレット積みの自動化を実現した事例をご紹介します。
お客様は、精肉製品を中心に取り扱う食品メーカー様です。
従来は、2種類の部位の精肉を2kgずつパック詰めし、6パックをA式段ボールに手作業で箱詰め、さらに人手でパレットに積み上げて出荷していました。
これらの作業には5〜6名の作業者が必要で、作業負担が大きく、人手の確保にも常に課題を抱えていました。
日々の出荷量が増加する中、これまでの人手による作業では対応が難しくなりつつあり、作業効率の見直しと人員体制の最適化が急務となっていました。
このような背景をふまえ、新工場の建設にあたっては、省人化と効率化を両立する運用体制の実現が求められていました。
当社がご提案したのは、ラップラウンドケーサーとロボットパレタイザーの組み合わせによる出荷前工程の自動化です。
従来はA式段ボールケースへ手作業で箱詰めしていた2kgパック×6個の包装工程を、ラップラウンドケーサーの導入により自動化。投入バケットへ製品を載せた後、自動で段ボールを折り曲げて成形・接着まで行えるため、高速かつ安定した箱詰めが可能になります。
2つのラインにはそれぞれ1台ずつラップラウンドケーサーを配置し、梱包後の製品については、コンベヤでパレタイザーへの搬送中、段積み機を活用してケースを2段に積み、それをロボットが一括で掴むことで処理効率を向上。1台のパレタイザーで左右の2ライン2パレットへ同時に処理できる構成を提案しました。
自動印字システム
さらに、従来はブランドや部位ごとの名称が印刷された段ボールケースを使用し、消費期限もゴム印で表示していましたが、今回の自動化では段ボールのデザインを共通化。 各2kg袋の品名コードをカメラでスキャンし、それに基づいてブランド名・部位名・消費期限・2次元コードを外箱にインクジェットプリンタで自動印字するシステムを提案しました。
処理能力への懸念と提案のポイント
お客様からは、「本当にこの処理スピードで間に合うのか?」という懸念がありました。
生産量が従来の約2倍となる新工場では、毎分12ケースの処理能力が必要と試算され、それを満たす機種を選定。ラップラウンドケーサーや段積み機と組み合わせたパレタイザーの処理能力、構成の合理性を図面や資料を用いて丁寧に説明しました。
また、他社の提案では各ライン用にパレタイザー計2台構成が提示されていましたが、当社は段積み機を活用することで、1台で2ラインに対応可能な構成とし、コスト面でも優位性を確保しました。
こうした提案が評価され、当社にお任せいただけることになりました。
導入後の現場では、以下のような成果が得られました:
・従来5〜6名で行っていた作業を、ラップラウンドケーサー2台に各1名ずつの2名となり、省人化を実現
・毎分12ケースの処理により増産にも対応可能に
・パレット積み付け作業の自動化を実現し、作業者の負担を大幅に軽減
・製品袋の二次元コードスキャン情報に基づく外箱への自動印字により、箱と中身の不一致が解消
・2次元コードの印字により冷凍保管庫、出荷工程での商品管理が可能に
・印刷済み段ボールを廃止し、共通箱に自動印字することで品種対応の柔軟性と在庫削減を実現
「作業人数を減らしながら、生産量を増やしたい」というお客様のご要望に対し、コストを抑えて自動化を実現できた点が評価されました。
包装・梱包・出荷工程の省力化・省人化は、製造現場の効率化において重要な取り組みの一つです。今回ご紹介した事例のように、適切な設備選定と構成によって、コストと性能のバランスを取りながら自動化を実現することが可能です。
包装・梱包・出荷工程の省力化・省人化をご検討の際はぜひ一度ご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。どうぞ、お気軽に食品工場物流ナビへお問い合わせください。
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