微鉄粉やステンレス系摩耗粉などの金属異物が製品に混入することがあります。
これらは、もともと仕入原料に含まれている場合、製造工程の機械設備から発生する場合が考えられます。
粉粒体や液体における金属異物の除去にマグネットを使用されているお客様も多くいらっしゃるかと思います。
そこで今回はいろいろな特長を持つ高磁力のマグネットをご紹介します。
高磁力マグネットは粉粒体や液体から微鉄粉やステンレス系摩耗粉を除去します。
金属検出機の前に取り付けることにより、あらかじめ金属異物を除去し、金属検出機の動作回数を減らすことができます。
1.三角R形状のマグネットバー
粉粒体の場合、マグネットバーの上に粉が堆積して、マグネットバーの磁力を十分に発揮できず、金属異物を逃してしまうという問題がありました。
マグネットバーの断面を三角形状にすることによりマグネットバーの上に粉が滞留しにくくなり、弱磁性体の吸着効果が低下するのを防ぎます。
さらに、三角形の底辺を粉体に特化したR形状にすることにより、吸着した異物がマグネットバーの底辺へ逃げ込み易くなるため、吸着した異物を逃さず保持できるようになっています。
磁力は1.2テスラ(12000ガウス)あります。
三角R形状の磁石を整形し三角形R構造に全周へ磁力を安定に発生させることが可能となっています。
2.二重管タイプのマグネットバー
マグネットバーのメンテナンスは、マグネットバーに吸着した異物を湿らせた布で拭きとる、粘着テープでくっつけて取るといった方法があります。
よりメンテナンスがしやすいマグネットバーとして、二重管タイプのマグネットバーがあります。
メンテナンス時、内側のマグネット棒を引き抜くと表面の磁力がなくなるので、吸着した異物を簡単に除去することができます。
マグネット棒のズレ・外れを防止するためにロックがついています。
また、引き出しやすくするためマグネット棒には握りやすいグリップがついています。
※二重管タイプは磁力が通常のタイプより2、3割減少します。
3.液体用ラインマグネット
ジュース、調味料、乳飲料などの低粘度製品や、ハム、ミンチ等の高粘度食品の搬送パイプ間に設置して、弱磁性粉を分離捕獲します。
粘性の高い液体に対し、流れの阻害およびデッドゾーンを極力無くした形状になっています。
配管接続はサニタリーヘルール継手が標準ですが、各種接続継手にも対応しています。
形状により粉体のエア搬送にも設置可能です。
4.格子形・丸形マグネット
マグネットバーを角格子状・丸格子状に組み合わせた格子形マグネットです。
ホッパーやタンク内・液槽への設置が可能です。
お客様がお使いのホッパー・シュート・タンクに合わせたサイズで製作が可能です。
5.ハウジング式マグネット
ハウジング内にマグネットユニットが組み込まれているタイプです。
エア搬送ラインやパイプダクトなどの密閉ライン中において、微鉄粉やSUS摩耗粉を除去します。
ハウジング前面に扉がついているので清掃の際にマグネットユニットを簡単に脱着することができます。
三角R形状マグネットバー仕様での製作も可能です。
6.円すい多段式・筒形磁選機
粉粒体のエア搬送システムの垂直配管に装着する密閉構造タイプのマグネットです。
多段式は円すいの先端部まで高磁力が発生しているので、弱磁性体がワークと一緒に流れ落ちにくい構造になっています。
7.ロータリー式マグネット
詰まりやすく付着しやすい粉体に最適です。
マグネットユニットが回転し、粉体を強制的に排出します。
階下に粉体を送るスポート配管途中などに設置します。
上記のほか、プレート状のマグネットなど、様々な用途、サイズ、形状に対応が可能です。
また、マグネットの段数変更や二重管タイプ用のガイドベアリング仕様など、お客様のラインに合わせた製作が可能です。
マグネットへ付着した磁性体は定期的に清掃をしなければマグネット部は飽和状態となりそれ以上の磁性体の吸着回収が困難となります。
こちらのメーカーでは、磁性体の含有率が高い商品の場合、自動排出装置や簡易清掃システムの開発もしていますのでご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。
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