食品工場の排水には油分や有機物が多く含まれています。
そのまま下水に流してしまうと、河川や海の水質汚濁、土壌の汚染、悪臭といった公害の原因となるおそれがあるため、適切な排水処理が求められています。
排水処理の工程において、生物処理後の余剰汚泥、加圧浮上フロス、凝集沈殿汚泥などの汚泥が発生します。
汚泥の廃棄処理は多額のコストがかかるため、汚泥の水分量を減らして廃棄コストを削減する汚泥脱水機が必要です。
この汚泥脱水機について、
・電気代がかなりかかっている
・洗浄などのメンテナンスに手間がかかっている
・最近修理が増えてきた
ということはないでしょうか?
そこで今回は多重円盤型の汚泥脱水機をご紹介します。
省エネ、かつ、コンパクト設計で、含油汚泥の処理が可能な汚泥脱水機です。
多重円盤型構造により、メンテンナンスが楽で洗浄の水量も少量で済みます。
処理の流れ
- 凝集混和タンク内に供給された汚泥に、高分子凝集剤溶解装置から高分子凝集剤を添加
- 撹拌により凝集フロックが形成
- フロック形成後の汚泥は凝集混和タンクより越流して脱水機本体に自然流入
- 重力とろ体の回転により、ろ液が分離され、脱水ケーキとして機外へ排出
省エネかつコンパクト
重力による濾過と低出力の圧搾を脱水原理とした省エネルギー構造です。
本体ユニットは動力制御盤、凝集混和タンク、脱水ケーキ排出口、洗浄水タンクが一体化した構造になっているのでコンパクトで据付が容易です。
多重円盤型
本体内部には肉厚の樹脂円盤と肉薄のステンレス小円盤、肉薄のステンレス大円盤が多数積層されたろ体を上下2段に複数軸配置されています。
一部、樹脂円盤を採用することで軽量化、及び部品数が削減され、メンテナンス作業の効率化を実現しています。
ろ体は汚泥投入側から脱水ケーキ排出側に向かうにしたがい上下の間隔がせまくなり、さらに脱水ケーキ排出側のろ体は汚泥投入側のろ体にくらべて遅く回転するので効率的に脱水します。
脱水ケーキ排出側のろ体の回転速度を変えることで、脱水汚泥の含水率を調整することができ、お客様のニーズに合わせた脱水処理が可能です。
セルフクリーニング
各円盤の間には水分のみが流出するスリットを形成しています。
隣接するろ体の大円盤が他方のろ体に挿入される構造により、スリットが常にクリーニングされ、安定した処理能力を発揮します。
ろ体は分解組立が容易で熟練作業員でなくてもメンテナンスが可能です。
連続自動運転が可能
オプションの高分子凝集剤溶解装置が凝集剤添加を所定の濃度にコントロール、および、セルフクリーニング機構の目詰まり防止により、ワンタッチ操作による連続自動運転が可能です。
含油汚泥処理が可能
目詰まりしにくい構造のため、加圧浮上フロスなど、ろ布式、遠心式では困難な含油汚泥の処理に最適で、高い固形物回収率が得られます。
少ない洗浄水量
目詰まりしにくい、ろ体構造なので、能力低下を復旧させる洗浄は不要です。
ろ体からにじみ出た汚泥を洗浄するためだけとなり、ろ布式脱水機と比較しても洗浄水使用量は少量です。
二次公害の抑制
本体が半密閉構造で、かつ、ろ体が超低速回転のため汚泥の飛散がなく、騒音・振動、及び臭気の拡散も少ない設計になっています。
省エネ機構、かつ、メンテナンスがしやすいので、脱水機にかかるランニングコストを削減することができます。
汚泥をポリタンク一杯ほど提供していただければ、汚泥の成分や適切な凝集剤などを調査して報告書として提出可能です。
お客様の工場で発生する汚泥に合わせた機種を選定して提案いたします。
汚泥脱水機のデモも実施可能ですので、汚泥の処理にかかる費用や手間でお困りのお客様はぜひ私どもにご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。