貼るだけで消費電力を削減!宇宙に熱を捨てる放射冷却シート

夏の気温上昇に伴い、製造工場では空調室外機や分電盤といった屋外設備の温度管理が大きな課題になっています。

直射日光にさらされた機器は内部温度が上がり、故障や停止トラブルの原因になります。空調の負荷も増え、電力コストがかさむ一方です。

 

そこで今回は、電力を使わずに設備を冷却できる放射冷却シートをご紹介します。

放射冷却シート

従来の遮熱塗料や断熱材は「太陽光の入熱を減らす」ことしかできませんでした。

入熱を抑えるだけで、素材自体が冷えるわけではありません。

放射冷却シートはここが根本的に異なります。太陽光の反射に加えて、対象物にたまった熱を赤外線に変換し、大気圏の外へ放出する機能を持っています。

つまり、熱を「防ぐ」だけでなく「捨てる」ことができる素材です。

 

放射冷却シートの仕組み

この素材は、独自の多層構造によって2つの機能を両立させています。

1つ目は、太陽光を反射して入熱を抑える遮熱機能です。

反射率は95%以上で、夏の太陽光エネルギー(約1,000W/m²)のうち取り込むのはわずか5%程度にとどまります。

2つ目は、対象物にこもった熱を「大気の窓」と呼ばれる波長域(8〜13μm)の赤外線に変換し、宇宙空間へ放射する機能です。

放射率も95%以上あり、入ってくる熱よりも出ていく熱のほうが大きくなるため、素材の温度が外気温よりも低くなります。

放射冷却シートのイメージ

実際の測定では、真夏の炎天下で外気温より2〜6℃低い温度を維持しています。

鉄板の裏面温度で比較すると、日射反射塗料を塗った鉄板が外気温より10〜20℃高くなるのに対し、放射冷却シートを貼った鉄板は外気温を下回った状態を保ちます。

左:日射反射塗料 右:放射冷却シート

用途に合わせて選べるラインナップ

設置場所や目的に応じて、複数のタイプが用意されています。

粘着フィルムは、裏面に粘着剤がついたシートで、分電盤やキュービクル、空調室外機、通信局舎など幅広い対象物に直接貼り付けて使用します。

白色と銀色の2種類があり、いずれも国土交通大臣認定の不燃材料です。

紫外線に対する耐候目安は10年(高耐久タイプは15年)で、長期にわたって効果を発揮します。

マグネットシートは、鉄板などの鋼製面に磁力で固定するタイプです。

貼り直しや取り外しが自由にできるため、空調室外機のように季節ごとに着脱したい場面や、試験的な導入に適しています。耐候目安は15年です。

ターポリン(布状素材)は、引っ張りに強く、縫製や熱溶着による加工ができるタイプです。

テントやパラソル、カバー、シェードなど、立体的な形状に仕立てることが可能です。日本防炎協会の防炎製品認定を受けています。

 

施工の手順

フィルムタイプの場合、対象物の清掃、寸法の計測とカット、位置決め、スキージーによる圧着、端部処理(エッジコートまたはシーリングテープ)という5ステップの作業になります。

屋根や屋上、広範囲の施工では仕上がりの品質や安全面から専門業者への依頼が推奨されます。

マグネットシートは鋼製面に磁力で貼り付けるだけなので、工具も接着剤も不要です。空調室外機への取り付けなど、最も手軽に導入できるタイプです。

施工イメージ

現場にもたらすメリット

電力コストの削減

空調室外機にシートを貼ることで周辺温度が下がり、機器のエネルギー効率が改善されます。

ある導入事例では、マグネットシートを室外機に貼り付けただけで表面温度が5.5℃下がり、消費電力が8%削減されました。

冷凍ユニット用室外機にフィルムを施工した事例では、最大18%の電力負荷低減が確認されています。

屋外電気室(キュービクル)への全面施工では、空調環境下でも内部温度が5℃低下し、平均消費電力が約20%削減された実績があります。

施工後イメージ

機器故障リスクの低減

屋外の分電盤にフィルムを施工した商業施設の事例では、盤内温度が10℃低下し、一般的な機器使用の上限温度40℃を常時下回る環境が実現しています。

ガス供給制御盤への施工では、断熱塗料と比較して最大14℃の温度差が記録され、温度異常アラートの発生がゼロになりました。

鉄道の踏切器具箱に施工した事例では、夏場の平均温度が6.4℃低下し、内部の鉛蓄電池の期待寿命が約2年延びる試算が出ています。

労働環境の改善

建設現場のコンテナハウスに施工した事例では、エアコンのない状態で室内温度が10℃下がりました。

仮設トイレでも12℃の低下が確認されています。暑さ指数(WBGT)の基準値が1段階改善し、熱中症リスクの低減につながります。

 

さまざまな現場での導入が広がる

放射冷却シートは2022年5月の正式販売以降、グローバルで4,000か所以上に導入されています。

通信基地局の局舎に全面施工した事例では、平均3.7℃の温度低下によって空調設定温度を3〜4℃上げることが可能になり、通信インフラの安定稼働と省エネを両立しました。

太陽光発電の集電箱やPCS収納盤への施工では、夏季の内部温度上昇によるブレーカー遮断・発電停止がゼロになった事例が複数報告されています。

自動車量産工場での実証実験では、遮熱塗料を施したコンテナと比較して33%、未施工コンテナと比較して53%の空調消費電力削減が確認されました。

 

 

2025年には大阪・関西万博のガスパビリオン屋根にも採用されるなど、設備保全から建築物、仮設施設まで活用の幅は年々広がっています。

暑熱対策をお考えでしたら、まずは空調室外機や分電盤など手近な設備から試してみるのが近道です。現場の状況に合わせた選定をサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

 

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