今回は、重労働を解消するためにお客様が考案・開発された商品をご紹介します。
グラビア印刷機の印刷版を脱着するための特注台車です。
食品包装用フィルムのカラー印刷には、グラビア印刷機が使用されます。グラビア印刷機に使用される回転式の印刷版(版胴)は、デザインの繰り返しの長さにより直径が変わり、これに比例して重さも変わります。重量は、軽いものでも20㎏くらい、重いものだと50㎏ぐらいになります。
グラビア印刷機の版胴をセットする位置は、印刷機本体のやや下のほうにあります。
そのため、版胴をセットする場合は、20㎏以上ある版胴を水平に持ち、腰をかがめた状態で作業することになります。
セット作業は、水平に持った版胴を左側の回転軸に差し込み、片手で支えた状態のままレバー操作し、右側の回転軸が出てきて版胴に差し込まれるまで支えたまま待つという手順です。取り外す場合はこの逆の手順になります。
この一連の作業を一度の印刷につき、使用する色数の分だけセット、さらに、印刷内容が変わるたびに版胴を交換する必要がありますので、一日何十本も交換する作業が発生します。作業者にとって、非常に腰に負担のかかる、大変な重労働です。
お客様の現場では、この作業により腰を痛めて1~2週間休まれる方が年に2名ほど、直近では一年も経たないうちに3名も出てしまい、会社の懸念事項となっていました。
この状況を打開するために開発されたのが、今回ご紹介の版胴脱着用の特注台車というわけです。
この台車を使用すると、版胴を台車が支えた状態で、高さ調整するだけでセットできるようになります。これにより、20㎏以上ある版胴を交換するために、従来のように腰をかがめて持つことがなくなり、腰を痛める危険性のある重労働から作業者を解放してくれます。
こちらの台車の一番のポイントは、版胴を載せた部分が前方にスライドすることです。版胴を印刷機にセットする際、前方にスライドさせることにより、奥にある版胴をセットする回転軸まで届くようになります。スライド時は前側2本の脚も一緒にスライドしますので、前方にバランスが崩れるようなこともありません。
さらに、前方スライド機構と360度回転キャスターにより、移動時はコンパクト、かつ、片手でも楽に移動が可能です。
他にも、
・前方スライドのロック機構
・シリンダー落下防止のストッパー
・高さ調整ハンドルのストッパー
・テフロンシートを貼った天板
といった使用者目線の工夫が施されています。
なお、こちらの台車は受注生産品ですので、運搬物のサイズや重量に応じたフレームのカスタマイズが可能です。
包装機用のロールフィルム交換等、同じような状況でお困りのお客様がいらっしゃいましたら、ぜひ板橋工業にご相談ください。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。
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