冬季の製造工場や物流施設において、積雪や凍結への対応は安全管理上の悩みの種ではないでしょうか。
とくに搬入口やトラックヤードに雪が積もると、車両のスリップや荷崩れを招き、業務効率が低下しかねません。
また、従業員が行き交うエントランスや階段に雪の段差ができると、転倒事故を引き起こす原因になります。
こうした雪氷対策を人力のみに頼ると、除雪にかかる手間やコストの負担が増加し、本来の業務に支障をきたす場合もあります。
そこで今回は、路面工事をせずに後付けするだけで雪害を防ぐ遠赤外線融雪システムをご紹介します。

建物の壁面や専用ポールなどの上方から遠赤外線を照射し、指定範囲の雪や氷を融かす装置です。
遠赤外線の力で雪の分子を直接振動させ、熱エネルギーに変えて融雪を行います。
従来のロードヒーティングのような大掛かりな埋設工事を必要としないため、地面に重量制限があって地中に設備を埋め込めない場所でも導入が可能です。
また、太陽光のように直接対象物を温める仕組みのため、風や気温といった設置環境の影響を受けにくい特徴があります。
自動制御によるスムーズな動作
専用の降雪センサーと制御盤を組み合わせることで、完全な自動運転を行います。
外気温が設定温度以下に下がり、センサーの検出面に水分が付着すると、自動的に電源が入って遠赤外線の照射を始めます。
降り始めた雪が積もる前に素早く感知して作動するため、雪が積もりにくい状態を維持できます。
雪が止んだ後も、内蔵された遅延タイマーによって一定時間(初期設定は2時間、変更可能)運転を継続します。
これにより、路面に残った雪や氷を融かし切ることが可能です。
運転の開始から停止までを自動で行うため、現場スタッフが毎回スイッチを操作する手間を省けます。
深夜の降雪にも無人で対応でき、始業前から安全な状態を整えられます。
遠赤外線融雪システムの主な特長
1.設置のしやすさと柔軟性
大掛かりな工事を行わないため、車両や人の通行の妨げにならず、冬季であっても最短1日で施工が完了します。
設置方法は壁面、天井、ポールの3通りがあり、現場に合わせて複数台を組み合わせるなど自由なアレンジが可能です。

2.遠赤外線による効率的なスポット融雪
対策が必要な場所だけを上からダイレクトに照射して融雪します。
路面全体を温める埋設方式と比べて無駄なエネルギー消費を抑えられます。
1台あたりの融雪範囲は約10㎡(車1台分程度)で、メーカーの検証では雪深5cm、気温-1.3℃の条件で、約2時間半で融雪が完了しています。

3.メンテナンスの手軽さ
埋設型ではないため、異常時の点検や修理をいつでも目視で簡単に行えます。
日常的な保守は、消耗品であるカーボンランプの交換(寿命目安:約3000時間)のみで完了します。
4.環境への配慮
電気を熱源として稼働し、灯油やガスを使う燃焼式の装置に比べて、二酸化炭素の排出量を約50%低減できます。
ランニングコストの目安
電力料金単価32円/kWhで計算した場合、4灯タイプ(3.6kW)のランニングコスト目安は以下の通りです。
• 北海道(降雪時間500時間/シーズン):月約14,400円、1日あたり約480円
• 東北・信越(400時間):月約11,520円、1日あたり約384円
• 北陸(300時間):月約8,640円、1日あたり約288円
降雪センサーによる自動制御で、降雪時のみ点灯する省エネ設計のため、24時間通電し続ける方式と比較してランニングコストを抑えられます。
現場にもたらすメリット
本設備を導入することで、現場の安全性と業務効率の向上が見込めます。
積雪による段差ができにくくなるため、バリアフリーな経路を確保でき、従業員や車両の安全な移動を支援します。また、トラックの搬入口付近を常に雪のない状態に保てるため、冬場に発生しやすい荷役作業の遅延を防げます。
さらに、センサーによる24時間オート融雪のおかげで、除雪作業に割いていた人件費や委託コストを抑えられます。
安全性についても、光生物学的安全規格テストをクリアしており、人体への影響を気にすることなく使用できます。
多様な現場での活用事例
このシステムは、さまざまな産業の現場で活用されています。
食品工場や飲料工場では、製品を出荷するシャッター前やトラックヤードの積雪対策として導入されています。
フォークリフトが頻繁に行き交うエリアの安全性を確保し、物流の停滞を回避できます。
また、店舗のエントランスやコインパーキングなど、人手による除雪が困難な屋外スペースでも広く利用されています。
さらに、電力や水道といったインフラ設備の周辺で、雪によるライフラインの混乱を防ぐ目的でも採用実績があります。
商業施設、食品メーカー、鉄道会社、物流倉庫など、幅広い業種で導入が進んでいます。

遠赤外線融雪システムは、埋設工事不要で後付け設置ができ、降雪センサーによる自動運転で人手をかけずに融雪対策が可能な設備です。
冬季の積雪対策や除雪作業の省力化をお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
現場の状況に合わせた機器選定から導入まで、当社がサポートいたします。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。
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