投入作業をスムーズに!高所作業をなくす粉粒体空気輸送装置

製造現場における粉体や原料の運搬作業は、多くの労力を要する工程です。
特に大型機械への投入作業では高所での作業が発生しやすく、作業者の身体に負荷がかかります。
腰痛や転倒といった労働災害のリスクも見過ごせません。
また、手作業による袋の開封や投入は、粉こぼれによる原料ロスや衛生環境の悪化にもつながります。

そこで今回は、高所への持ち上げ作業をなくし原料の搬送を自動化できる粉粒体空気輸送装置をご紹介します。


粉粒体空気輸送装置


粉体を運ぶ手段としては、スクリューを回転させる方式やバケツ状の容器で引き上げるコンベアも広く知られています。
本装置は真空ポンプによる気流を利用し、専用のホースや配管内を輸送する仕組みを採用しています。
入り組んだ作業スペースでも既存の設備を大きく動かさず、柔軟に輸送経路を設計できる点が特長です。

製薬業界向けの高水準モデルから、食品・化学業界向け、医薬品の錠剤やカプセル向け、一般産業向けまで、用途に応じた複数のシリーズが用意されています。
接粉部の材質もSUS316L相当またはSUS304相当から選べ、FDA・USDA認証取得済み、防爆エリア向けや、製薬向けのIQ/OQ書類対応も可能です。

 

気流を利用したシンプルな搬送の仕組み

基本的な仕組みは、掃除機のように粉を吸い上げて目的の場所まで運ぶというものです。
床上のパレットに置かれた容器にノズルを差し込み機械を作動させると、真空の力で配管内に気流が生まれます。
粉体はその気流に乗って配管内を移動し、次工程に設置されたタンクへと送り込まれます。
一定量の粉体がタンクに溜まると下部のバルブが開き、目的の機械へ原料が投入されます。

 

真空発生効率を高める独自のエジェクタ機構

本装置に搭載されている真空ポンプは、カートリッジ式のエジェクタを採用しています。
従来の一体構造のポンプでは内部が一つの真空発生器となっていましたが、現行モデルでは真空発生機能を1本1本のエジェクタに兼ね備えた構造に変更されました。
これにより、従来モデルと比較して輸送時の配管内真空流量が最大で約20%向上しています。
エジェクタは1本単位で着脱可能で、最大16本まで装着できます。
導入後に能力アップが必要になった場合も、エジェクタを追加することで対応可能です。
※エジェクタ:空気を抜いて真空を作るための駆動力
エジェクタ

 

工具不要のモジュール設計と高い洗浄性

本装置は、それぞれの部品を工具を使わずに組み立てや分解ができるモジュールシステムを採用しています。
品種切り替え時の清掃や定期的なメンテナンスにかかる作業時間を短縮できます。
工具レスで組み立て&メンテナンス
また、粉体が直接触れる本体部分は、継ぎ目や段差のないストレートな一体構造で設計されています。
内部に原料が入り込む空間をなくすことで粉の残留を防ぎ、衛生管理が求められる現場でも使用可能です。

 

品質を保つプラグ輸送方式

粉体の搬送速度が速すぎると、配管の内壁と原料が摩擦を起こし製品が欠けたり割れたりする原因となります。
本装置は配管内の空気の流速を10m/sec以下に抑え、高い密度で原料を押し出すプラグ輸送と呼ばれる方式(中〜高濃度輸送、-30〜60kPa)を採用しています。
この輸送方式により、顆粒の粉化や錠剤やカプセル錠の割れ欠けを防ぎつつ、時間あたりの輸送量を確保できます。

 

安定稼働を支える逆洗エアー機構

細かい粉体を扱う設備では、装置内部のフィルタに原料が付着して目詰まりを起こすことがあります。
フィルタの目が詰まると吸引力が低下し、輸送能力が落ちる要因です。
本装置には、フィルタを内側から洗浄するための逆洗エアタンクが本体に内蔵されています。
逆洗エアタンクはフィルタの上部に搭載されており、運転と連動して毎バッチごとに自動的に空気が吹き付けられ、付着した粉を払い落とします。
人の手による清掃頻度を減らし、フィルタの寿命を延ばす効果もあります。
逆洗エアー機構

 

ブリッジを解消する流動化機能

小麦粉や澱粉、抹茶、ココア、シリカといった流動性の低い原料は、排出の際に固まってしまい通り道を塞ぐブリッジ現象を起こしがちです。
外側からハンマーで叩いたりノッカーやバイブレータを使ったりする方法もありますが、粉を押し固めてしまうリスクがあります。
本装置では、排出部のコニカル部分に内蔵された多孔質ポリエチレンコーンにエアを均等に流入させ、粉体の流動を促進させるオプションが用意されています。
機械的な衝撃を与えないため粉を傷めず、動作音も静かなため作業環境への影響を抑えられます。
流動化装置

 

安全性と生産性の向上

粉粒体空気輸送装置を導入することで、これまで複数人で行っていた重労働を機械に任せ、省人化を進められます。
床上の低い位置から原料を吸い上げるため高所作業がなくなり、女性やシニアの作業者も担当しやすくなります。
最小サイズのモデルは2リットルペットボトル程度の高さで、コンパクトかつ軽量な設計です。
また、密閉された管の中を原料が移動するため、粉の飛散による作業場の汚れを防ぎ、清掃にかかる労力も軽減できます。

 

 

製造現場の作業負荷を機械に任せることは、従業員の安全確保と省人化を両立する一つの方法です。
自社のレイアウトや取り扱う原料の特性に合わせて、適した仕様を選定することが大切です。

食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。
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