3台を1台に集約!S字搬送ラインを直線化した改造工事の事例
製造現場や物流の拠点において、搬送設備の老朽化は重要な課題です。
生産を維持するためにはメンテナンスが欠かせないものの、古い機械は部品の入手が困難になるケースが少なくありません。
万が一稼働中に故障すれば、長期間のライン停止を招きます。
今回は、袋入り製品の搬送ラインを見直し、効率的な運用を実現した事例をご紹介します。
約20年経過した設備の老朽化
お客様の工場では、袋入り製氷を製造しており、その搬送ラインで使用されているコンベヤは導入から20年以上が経過していました。
長期間の使用により老朽化が進み、使用されている部品の調達が困難になり始めていたのです。
新しい設備へのリニューアルを検討する時期に差し掛かっていました。
S字形状の搬送が招く非効率
当時のラインは、包装機の製品排出口から「90度カーブCV(左)→直行CV(400mm)→90度カーブCV(右)」と2回曲がってから、製品均し機・金属検出機・直行CVへとつながる構成になっていました。
入口側のカーブCV2台と直行CVの3台でS字を描いており、搬送距離は約1,400mmです。
さらに、カーブ部分が横に張り出すことで約1,600mm幅の無駄なスペースが床に発生していました。

初期の機器設置メーカーがどのような意図で設計したのかは、現在では分かりません。
このS字構造が原因で、袋入り製氷を搬送する際に製品が斜めになってしまうトラブルが頻発していました。
次工程へ正しく流すために、S字部に確認用の人員を1名配置せざるを得ない状況でした。

特注ベルトによるコスト増
また、設備構成にも無駄が発生していました。
直線距離は短いにもかかわらず、カーブCVを2台と直行CVを1台、合計3台のコンベヤを繋ぎ合わせている状態です。
さらに、特殊な経路に対応するため、コンベヤベルトは特注品でした。
汎用品ではないため価格が高く、納品まで時間がかかります。
加えてカーブCVのベルトは消耗が激しく、交換頻度も増えて無駄な出費が発生していました。
メンテナンス性を最優先した直線レイアウトへの刷新
私たちは現場の状況を分析し、既存のS字部分を撤去して直線レイアウトへ変更する改造工事をご提案しました。
お客様が最も気にかけておられたのは、今後の保守管理を行いやすくすることです。
日常的なメンテナンスはお客様ご自身で実施される方針であり、特殊な機材は望ましくありません。
そこで、市場に広く流通している汎用機の採用をお勧めしました。
標準的な機器を導入すれば、将来的に消耗品を交換する際も部品を手配しやすく、特注品の納入を長期間待つ必要もありません。
さらに、3台のコンベヤを1台の直線コンベヤに置き換えることで、設置スペースを大幅に圧縮できる構成をご提示しました。
段階的な工事計画
今回の工事は、お客様の設備リニューアル全体の中で3期目にあたります。
1期目は包装ロボットと製函機の入替で、それまでロボットが袋入り製氷の一部しか箱詰めできなかった状態から、全製品を箱詰め可能な状態に改善し、手作業の箱詰めが不要になりました。
2期目はパレタイザーロボットと封緘機を入替え、無駄な転換機をカーブローラーCVに置き換えました。
いずれも老朽化により部品の供給が難しくなったことが背景です。
今回の3期目では、長らく課題となっていたS字搬送ラインを直線化することになりました。
実施時の調整
S字を直線化するにあたり、手前側の入口位置はそのままに、奥側に設置されていた既存コンベヤの機長をカットして直線レイアウトに合わせ込みました。
コンベヤ機長をカットしたことで脚の設置位置が変わり、それに伴ってモーター位置の変更も必要になりました。
工事業者と連携し、脚とモーター位置のバランスを慎重に計算しながら調整することで、無事に工事を完了させています。
3台から1台への集約と作業スペースの創出
S字改造工事が完了し、現場の搬送ラインはすっきりとした構成になりました。
カーブCV2台と直行CV1台の合計3台が、1台の直行CVに集約されています。
これまでカーブ部分が横に張り出すことで生じていた約1,600mm幅の無駄なスペースのうち、約800mm幅が作業スペースとして有効活用できるようになりました。

製品の斜め搬送の解消と省人化
最も大きな成果は、製品の搬送姿勢が安定したことです。
経路を直線にしたことで、袋入り製氷が斜めに曲がる現象が解消されました。
カーブ部分で確認用の人員を配置する必要がなくなり、その分の労力を他の業務へ振り向けることができています。
ランニングコストとメンテナンス性の改善
コストの面でも改善が見られました。
特注のカーブCV用ベルトが不要になったことで、ベルトの購入費用が抑えられています。
汎用品のため納期も短く、消耗品の交換時にラインを長期間止める心配もありません。
また、当初お客様は「入替はまだ先」と考えておられましたが、提案した入替価格が予想よりも安かったこと、3台を1台に集約することで人員配置の必要がなくなることが受注の決め手となりました。
搬送ラインの構成見直しは、老朽化対策にとどまらず、現場の作業負担やランニングコストの改善にもつながります。
長く使い続けてきた設備でお困りの場合は、一度ライン全体の構成から見直しを検討するのも一つの選択肢です。
食品工場物流ナビを運営する板橋工業では、豊富な商品知識を持ったスタッフが、お客様の要望や状況を丁寧にヒアリングし、最適な提案をさせていただきます。
どうぞ、お気軽に食品工場物流ナビへお問い合わせください。
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